黒漆塗楼閣人物飾棚  縦 119.2 p 横 149.3p 高 45.1p

袋中上人(たいちゅうしょうにん)関係資料

 京都市左京区の檀王法林寺は、江戸時代初頭に、浄土宗の学僧袋中上人(1552〜1637)が建立した寺院。袋中上人は、浄土宗学を極めた後、慶長8年(1603)琉球に渡り、当時の国王尚寧王(しょうねいおう)の信頼を得て琉球に浄土宗を布教、帰国後に檀王法林寺の住持(1611〜1619)となった。
 修理対象となる「黒漆塗楼閣人物飾棚(ろうかくじんぶつかざりだな)」及び
「朱漆彫木龍貼香合(しゅうるしちょうぼくりゅうはりこうごう)」は、上人が尚寧王から寄進された三十数点の宝物の中に含まれ、工芸品として異彩を放っている。前者は、棚全体黒漆塗を基調に、朱漆、沈金(銀)、象牙の象嵌、木彫
の透彫、竹編みで装飾された木製の方形棚、後者は龍と牡丹の浮彫が表された朱漆塗の香合で、ともに漆の剥落著しく、割損欠失する箇所が見られる。
 昨年度から2カ年の計画で修復しており本年度で完了する。

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