各幅 縦 136.5p 横 58.5p

紙本著色  列祖(れっそ)図30幅のうち25幅

 本列祖図は、萬福寺の開山・隠元禅師(1592〜1673)に深く帰依した奥州二本松藩主・丹羽光重により、黄檗山開創の翌年、寛文2年(1662)8月、狩野安信筆「十六羅漢図」16幅とともに寄進されたもの。計30幅からなり、幕府奥絵師狩野探幽(1602〜1674)とその養子益信、甥の常信の3名が光重の命で制作にあたっている。図は初祖・達磨から千巌元長まで、すべて半身像に描かれ、上に隠元の題が付く。
 幕府の庇護を受けた江戸狩野派が萬福寺開創にあたってこれに全面的に関与したことを示す具体例・基準作として極めて貴重である。  現状は、本紙に糊浮き、横折れが多数あり、表装の糊浮きも著しく、展示等、取り扱い上非常に危険な状態である。本年度は、5カ年修復計画の最終年度で、修復済みの5幅と合わせて列祖図30幅全ての修復が完了する。

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