本紙 縦 95.5 p 横 47.4p

絹本著色 楊柳(ようりゆう)観音菩薩像(乙本)

  博多三禅刹の一つである承天寺は、鎌倉時代に博多綱首(ごうしゆ)の謝国明(しゃこくめい)によって創建された国際色豊かな名刹で、対外交流の拠点の一つとして重要な存在であった。このことを示す文化財が数多く伝
えられているが、本図もその一つで高麗時代後期の制作になる作品である。
  正面向きで片膝を立て、上半身に條帛を巻いた特異な像容を有している。作者は不詳であるが、北宋代の李公麟(1049?〜1106)原画の石刻などに図様の祖形を求めることができる。
 現状は、画面全体に折れ、亀裂、糊浮きなどが進行しているため、軸装を解体肌裏紙を除去する本修理を行う。欠失箇所への補絹を行った上で、画面の折れを直し、補彩を施して、新たに軸装に仕立てる。        

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