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私家集他1件 |
冷泉家に伝えられた私家集4巻83冊196帖は、わが国の和歌文学の根本資料として極めて貴重なものである。その多くは現存する流布本の親本であり、冷泉家本なくしては、現在の和歌文学の存在は考えられないものである。
本年度修復予定の「仲文集」「兼澄集」 「隆信朝臣集」はいずれも鎌倉時代初期から中期の写本で、書陵部本の親本と見なされており、それぞれの家集を考察していく上で貴重なものである。 同じく冷泉家歌書類38巻147冊52帖11幅は、冷泉家に伝わる和歌や歌学書で、このうち本年度修復予定の「無名抄」は、鴨長明が著した歌学書である。南北朝時代頃の貴重な古写本で、行間に書き込まれた藤原定家の近代秀歌なども、それぞれの古い伝本として貴重である。 修復は3カ年を予定している。 |