像高 162.5p

木造地蔵菩薩立像

 福岡県糟屋郡久山町にある清谷寺の木造地蔵菩薩立像は、ウロが深く入り多くの節をもった、針葉樹の一材から彫りだしたものである。
 厳しい表情を浮かべ、量感豊かな体躯、簡素ながら力強さを感じさせる彫口などから、平安時代も前期に遡る制作と考えられている。
 異相、歪みの顕著な造形、神像にも通じる簡素な表現などあわせ、平安時代前期の彫像を考える上で貴重な作例である。
 現状朽損が進み、自立不能な状態で、このまま放置すれば、朽損はさらに進むと考えられる。
 修復は、樹脂を含浸して木質を強化し、新補した方座と像底の調整で像の安定を図る。

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