本紙  縦 102.3p  横  34.5p

刺繍種字両界曼荼羅図

 本図は、平安末期創建で木津庄(高浜)最大の寺院であったと伝えられる龍蔵院(その後廃絶)所蔵であったものを、現在の永福寺(旧龍蔵院塔頭松の坊)が継承したものと考えられている。                                                    現代に伝わる刺繍の両界曼荼羅図は寥々たる数に過ぎず、本図のように金剛界・胎蔵界を一幅に纏め、四印会の五仏と中台八葉院の大日如来を中心とする八尊をいずれも種字(仏・菩薩を表示する梵字)でしかも髪繍した曼荼羅は、大変貴重な作例 と言える。                                       経年による刺繍・髪繍の浮きや跳ね上がりが見られるので、解装して補修、補絹等の方法で修復する。

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