木造女神坐像                   木造男神坐像               
像高 17.2cm                      像高 73.3cm               

木造男女神像群(だんじょしんぞうぐん)

  本神像群が祀られている菱形八幡宮(ひしがたはちまんぐう)は、八幡神出現の地とされる「菱形池」の近傍に鎮座し、境内に古くは建久4年(1193)、同7年の方柱笠塔婆が残されていることからも、本宮の創建も平安時代にさかのぼる可能性がある。
 本神像群19躯のうち時代の古いものは、作風から判断して平安時代後期(12世紀)とみられ、鎌倉〜南北朝時代(13〜14世紀)、室町〜江戸時代(15〜18世紀)作の男女神像が混在している。いずれも在地性の強い作風であり、九州周辺で活動していた仏師により制作されたものと推定されている。中近世期中部九州の神像彫刻の制作と展開を考えるうえで、ひいてはわが国における地方の神像彫刻史の展開を知るうえでも貴重な存在とされる。
 しかしながら、2016年の熊本地震では神社背後の岩盤崩落に見舞われ、大破した本殿の下敷きとなった。その後、多くの氏子の尽力で岩盤下から救出されたが、この事故によって、神像群は大小の受損を余儀なくされ、長期にわたって下敷きとなっていたため表面にはカビ害虫害が発生するに至っている。本年度から2ヵ年計画で修復を図る。


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