巻頭仏画部分

縦 25.5cm

 紙本墨書 二品家政所(にほんけまんどころ)下文(くだしぶみ)
(つけたり)紺紙金泥法華経(ほけきょう) 8巻

 八桙神社(やほこじんじゃ)は延喜式神名帳に挙げられている式内小社で大己貴命(おおなむちのみこと)を祀っているが、祭神である木造大己貴命(重要文化財)、木造男神立像1躯(重要文化財)の他に、3躯の木造男神立像と6躯の木造男神坐像(ともに徳島県指定文化財)など多くの文化財を所有する古社である。
 紺紙金泥法華経8巻は、長寛元年(1163)9月、二品家政所から後白河法皇領であった竹原庄の鎮守八桙神社に寄進されたもので、その由来等を記した「紙本墨書二品家政所下文」は、徳島県に残る文書としては一番古い文書とされている。
 料紙は各紙の色・厚み・加工の度合いが極めて均質で、金泥による写経文も濁りのない金色を放っており、850余年の時を経た今日にあっても鮮やかで安定した状態を保っている。しかし、過去の盗難被害により巻四・五が他巻に比べ顕著に劣化が進行し、金泥の文字が白色化している。また、亀裂・剥落、折れや暴れ等の自然劣化が見られる。2ヵ年計画の修復は、本年度で完了する。


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