本紙 縦 85.7 p 横 37.5p

木造釈迦如来坐像他2躯

  福島県いわき市の楞厳寺は、寺伝によれば、平安時代・前九年の役(1051)に、八幡太郎義家が、大暴風雨に遭って此の他に足を止め、楞厳寺の釈尊に天候の回復と武運長久を祈願したと伝えられている。
 2011年3月11日の東日本大震災の際に、本尊の釈迦如来、脇侍の阿難・迦葉尊者に大きな損傷が発生した。釈迦如来は普賢菩薩と文殊菩薩を脇侍とする場合が多いが、本像のように阿難、迦葉の二尊者を脇侍とすることもある。3躯とも経年により、矧目が緩み、間隙が生じていたところに地震の発生で致命的な損傷に拡大し、早急な修復が必要となった。
 3躯のうち釈迦如来は、頭部の割矧ぎ部がはずれ頭部が前傾し安定しない状態に、脇侍2躯は台座から落下して頭部や体側部の割矧ぎ部がはずれている。2カ年計画で修復を行う。

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