午神将 像高 81.2p

  木造十二神将(巳神将(みしんしょう)、午神将(うましんしょう))像

  助成対象は、大興寺の本尊薬師如来像の眷属十二神将像のうち、巳神将と午神将の2躯である。銘記により、正和4年(1315)、仏師(いんよう)の造立であることは、足ほぞ銘から知られていたが、昨年度の修復の際、像内銘により大願主寂澄(じゃくちょう)、大檀那清浄智(しょうじょうち)(後嵯峨天皇皇女)、大上法皇(後伏見天皇)などの関わる造像だったことが判明した。仏師(いんよう)のほかの事績は知られないものの、その堅実な手腕は慶派仏師のそれに匹敵し、当時の院派仏師の力量を知りうる重要な新資料の出現となった。東寺金堂や神護寺金堂の各十二神将像と同じ図像を用い、文覚(もんがく)が施主となったそれらの仏像の系列につらなるという意識が明らかである。
 昨年から2ヵ年計画で修復しており本年度は、午神将(うましんしょう)像の剥落止め、虫喰処置を行い、矧ぎ目を緊結して修復は完了する。

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