一行禅師 本紙 各幅 縦 102.3p 横 55.7p

 絹本著色 真言八祖像8幅

 真言八祖像は、鎌倉時代寛喜3年(1231)に俊賀法橋が仁和寺観音院本を手本として描いた京都神護寺本が古本として知られ、遺例も少なくない。善通寺の本図は、空海像が椅子に坐すいわゆる真如親王様(しんにょしんのうよう)ではなく東寺の談義本尊(だんぎほんぞん)などに見られる床几に坐す形式で描かれており、類例まれな遺品として注目される。
 画絹には目の粗い「足利絹」が用いられ、裏彩色を効果的に施している。その制作は室町時代と考えられる。
 保存状態は、本紙に折れ・破れ・欠失・汚れがみられ、絵具の剥落や表装の糊浮きも進行している。昨年度から4ヵ年の計画で全8幅を修復する予定。

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