絹本著色足利義教像(あしかがよしのりぞう) |
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室町時代の第六代将軍として幕府権威の強化に尽くしながら、専制的な姿勢が諸大名の反発をよび、嘉吉の変で赤松満祐に殺害された足利義教の画像。 法衣の上に掛絡(から 略式の袈裟)をかけ、経本と数珠を執る姿は、法観寺五重塔を再興した檀那として描かれたことを示す。繊細で丁寧な筆致、柔らかな賦彩で描かれた面貌表現や、襟元にのぞく小袖や袈裟の金襴の文様表現に優れ、室町時代のやまと絵肖像画の特色をよくあらわしている。 今回の修理では、常に画面が露出しているために生じた損傷を補修し、額装を掛軸装に改めて適正な保存を図る。 |