(本紙 縦21.0cm  横56.0cm)

顕如書状

 本書状は、本能寺の変から半年を経た天正10年(1582)12月4日に、本願寺十一世法主顕如が、肥後の坊主衆および門徒衆に宛てたもので、その内容は、一向宗を弾圧していた織田信長の滅亡は仏罰であり、これまで法義に身命を賭して戦ってきたことが今報われたのである、よっていよいよ報謝の念仏に励み、ますます阿弥陀如来への信心を深め、極楽往生を確かなものにしてほしいと督励するかたわら、決められた綻をよく守るよう促したものである。
 戦国時代石山本願寺合戦を中心とする一向一揆に、遠く肥後国からも坊主衆や門徒衆が参加していたことを証明する歴史資料といえる。

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