(本紙 縦139.5cm 横 70.0cm 写真は下1/3部分) |
けんぽんちゃくしょくくまのじゅうにしょごんげんず |
熊野三山の十二所権現の本地仏を、垂迹曼陀羅(すいじゃくまんだら)の定型に従って配置し、画幅下段に僧形坐像と役行者及び前鬼像を対置して描いた、密教曼陀羅に類似する図様の熊野十二所権現絵。画法は、鎌倉時代仏画の技術を踏襲して習熟しているが、細部の描写から見て、制作時期は南北朝時代に下ると推測されている。 大幅で、構成も画法も伝統をふまえた本格的な中世垂迹画のすぐれた遺例で、特に熊野曼陀羅の初期の作品のひとつとして貴重である。 現状は、本紙の劣化、絵具焼けによる縦横の折れ著しく、摩損、欠失が全面にある。2カ年の修復計画で2年目の今年度で修復は完了する。 |