筑豊炭田地質図          福岡県豊前及筑前煤田地質図
 本紙 213.0cm×166.0cm       本紙 125.0cm×136.1cm

直方市石炭記念館地質( のうがたしせきたんきねんかんちしつず)

  直方市石炭記念館本館は筑豊石炭鉱業組合の直方会議所として建てられたものであり、「筑豊炭田遺跡群」の構成史跡として平成30年(2018)に国指定史跡に指定されている。筑豊石炭鉱業組合は、筑豊及び日本の石炭産業をリードし、日本の近代化において重要な役割を果たした同業組合である。

 今回対象となるのは、直方市石炭記念館に長らく展示されてきた「筑豊炭田地質図」及び「福岡県豊前及筑前煤田(ばいでん:炭田のこと)地質図」で、いずれも日本の近代産業史における貴重な歴史資料である。

 「筑豊炭田地質図」は、明治43年(1910)日英博覧会に出品するため、筑豊石炭鉱業組合が和田維四郎(わだつなしろう 1856〜1920 鉱物学者)に依頼して作製したもので、筑豊地区の炭田分布図、日本、中国、北米の一部の地図が示され、棒グラフで、筑豊地区の出炭量の状況が示されている。「福岡県豊前及筑前煤田地質図」は、農商務省地質調査所が明治26年(1893)に調製したもので、筑豊石炭鉱業組合が組織的に確立した時期の地質と炭坑の所在地が記載されている。三菱鉱業株式会社(現在の三菱マテリアル株式会社)から寄贈されたものである。

 現在、両図は経年劣化等により大きく破損した状態で収蔵庫に保管されており、早急な修復が必要とされている。


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