普賢菩薩像 釈迦如来像 文殊菩薩像 本紙 121.3cm×48.4cm 本紙 139.2cm×63.0cm 本紙 120.5cm×48.4cm
絹本著色 釈迦三尊像(しゃかさんぞんぞう)
総持寺は紀州に浄土宗西山(せいざん)派の勢力を拡大した明秀(みょうしゅう)(1403〜1487)によって建立された同派の中核寺院である。 本図は、六角框檀上の蓮華座に坐った釈迦如来、化仏のついた高い宝冠をいただき左手に如意を持って獅子に騎乗した文殊菩薩、頭上に三化人を乗せた白象に騎乗し、両手で蓮華の茎を持った普賢菩薩を書画一枚につき一尊ずつ描いた釈迦三尊像である。釈迦如来像の肉髻(にっけい)部分が低い等の尊容に宋元画の影響が見られるほか、着衣に用いられた繊細で緻密な截金等から鎌倉時代の制作と考えられており、他所から浄土宗西山派の重要寺院であった総持寺に迎えられたものと考えられる。 本図はもとは軸装であったが明治期に額装に変更されており、現状は料絹の断裂や欠失、顔料の剥落など損傷が著しくなっている。今回は額装から軸装に戻すこととし、3ヵ年計画 の修復は、本年度で完了する。