本紙  227.2cm×129.1cm

 本著色 弥勒下生変相図(みろくげしょうへんそうず)1幅

   妙満寺は、康応元年(1389)日什大正師(にちじゅうだいしょうし)(1314〜1392)によって創建された顕本法華宗(けんぽんほっけしゅう)総本山の寺院である。

  本図は、本紙の縦が2mを超える大幅にしてその全てが精緻な描写で満たされた、壮麗な高麗仏画の名宝である。画中の落款と銘文から、至元31年(1294)の年記と宮廷画家の李晟(りせい)の名が記されており、13世紀にさかのぼる高麗仏画の基準作として、また美術史学の上でも大変貴重である。本図は、おそらく朝鮮王朝時代の廃仏政策後に日本にもたらされ、京都の町衆の蔵を経て、檀家からの寄進により妙満寺に施入されたものと考えられる。

  最後の修理が江戸時代後期のため、現状では損傷が甚大であり、本格的な修復が必要である。3ヵ年計画で修復を行っており、本年度は2年目となる。


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