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改正日本輿地路程図 本紙 83.3cm×129.2cm |
長久保赤水(ながくぼせきすい)関係資料 |
長久保赤水(1717〜1801)は江戸時代の儒学者である。現在の茨城県高萩市赤浜の農家に生まれ、学才を認められて水戸藩第6代藩主、徳川治保(はるもり)の侍講(じこう:君主に対して学問を講じる役)となり、江戸に勤務する傍ら、地理学・天文学・農政学等多岐の分野にわたる研究成果を残した。また、伊能忠敬が実測により「大日本沿海輿地全図」(通称:伊能図)を完成させた40年以上前に、日本で初めて経緯線が投影された日本図「改正日本輿地路程全図」(通称:赤水図(注) )を発刊した。 令和2年(2020)には、赤水が遺した地図・絵図84点、文書・記録類279点、典籍類274点、書画・器物類56点の合計693点が「江戸時代中後期の文化史、地図史等の研究上に学術価値が高い。」と評価され、長久保赤水関係資料として重要文化財に指定されている。 しかしながら、本資料の一部には、虫損等による欠失、破れ、経年に伴う汚れ、彩色の剥離剥落が散見される。8ヵ年計画で修復を図っており、本年度が2年目となる(住友財団としては1年目)。 (注)金沢大学所蔵の同図の第2版を2016年度に住友財団の助成により修復済。 |