総高 60.8cm 最大径 47.4cm
朱漆巴紋沈金大御供飯(しゅうるしともえもんちんきんうふうくふぁん)
「御供飯(うくふぁん)」とは、琉球独自の大型の蓋付足高盆で、半球形の蓋が付きS字に湾曲した6本の脚を有しており、日本漆器や中国漆器には見られない形状が特徴である。現存が確認されているのは、本作品の他、徳川美術館、ホノルル美術館所蔵のものなどである。 御供飯は琉球の王家・王族家の祭祀道具として王府内で使用されたことが知られており、王府の祭祀を解明することで、近世以降現代までの琉球文化を紐解く際の鍵になるものである。また、王府に供された最高品質の漆器が御供飯であり、木工、沈金などの漆工技術が結集された琉球漆工史上でも重要な祭器で、琉球王国文化を考えるうえでも貴重な作品である。 しかしながら、近年になり亀裂や経年劣化の損傷の進行が観察・注目されるに至っていた。2ヵ年計画の修復は、本年度で完了する。