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不動明王像 |
木造五大明王像(ごだいみょうおうぞう) |
不退寺の創建は明確ではないものの、平城天皇(へいぜいてんのう)(774〜824)が譲位後隠棲のために創建した御屋敷(「萱の御所」と呼ばれる)に遡り、崩御後は皇子阿保親王とその子の在原業平が相承し、寺に改めたことに始まる古刹である。 5躯の明王像のうち、不動明王は激しい忿怒の表情から鎌倉時代後期の作と考えられる。他の4躯は忿怒の相も控えめで平安時代後期の作風を示し、五大明王の作品では珍しく、静的な姿で表されているのが特徴である。 現在、本堂の須弥壇上に安置され拝観者に公開されていることから、常に外気に等しい環境にあり、五大明王像は表面の彩色の浮き上がりが著しく本格的な修理が求められている。2ヵ年計画の修復は、本年度で完了する。 |