各本紙 130.0cm×44.5cm

 狩野山雪筆(かのうさんせつひつ)「歴聖大儒像れきせいだいじゅぞう)
6幅のうち3幅

  歴聖大儒像は、寛永9年(1632)上野に建てられた先聖殿(孔子廟)を尾張藩主徳川義直から寄進された林羅山が、釈奠(せきてん:孔子や儒教の先哲・賢人を祀る儀式)を復興した際に、狩野山雪(1590〜1651)に依頼して描かせたものである。全21幅からなるが、宋儒6幅が筑波大学の所蔵(他は東京国立博物館の所蔵)となっている。
 本図は江戸初期の文化状況の実態を伝えるいくつかの文献資料にも取り上げられており、その現物がそのまま伝存していることは極めて貴重であり、美術史のみならず各方面から注目されている。
  しかしながら、実際に祭儀で使われることの多かった本図は傷みも多く、 一昨年度から3ヵ年計画で6幅の修復が進められている。修復は本年度で完了する(住友財団の助成は2年間)。


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