広目天                             多聞天像
       像高 114.2cm                          像高 100.1cm

 木造四天王立像(してんのうりゅうぞう)

 東福寺は、摂政九条道家(1193〜1252)が奈良東大寺、興福寺になぞらえようとの念願で、建長7年(1255)に創建された臨済宗東福寺派大本山の寺院である。仏殿には四天王像が安置されていたが、明治14年(1881)に火災で焼失し、昭和9年(1934)に再建されている。本四天王像は、その際に別の場所から移されたものである。
 
四天王像のうち多聞天像は13世紀初頭頃、他の3躯は13世紀半ばから後半の作と考えられている。多聞天像は造形に優れ運慶に近い仏師の作とみられ、その他も慶派に属する仏師の作と見られる優品である。四天王像の体勢等の形式は、東大寺大仏殿の四天王像に倣っている。
 
現状、特に持国天、増長天像の体幹部矧ぎ目がゆるみ、テグスで巻いてかろうじて形を保っている状況にあり、早急な修復が望まれる。本年度より2ヵ年計画で修復を図る。


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