本紙 127.5cm×66.3cm

絹本著色 三千仏名宝塔図(さんぜんぶつみょうほうとうず) 

 冨賀寺は、大宝元年(701)に行基(668〜749)によって創建されたといわれる真言宗の寺院である。
 
同寺が所蔵する三千仏名宝塔図は、画面上部に中国・元から元徳元年(1329)に来日した、臨済宗の高僧竺仙梵僊(じくせんぼんせん)(1292〜1348) による正慶2年(1333)2月の賛文があることから、それ以前の制作と思われる。
 14世紀、室町幕府を開いた足利尊氏が冨賀寺を祈願寺にして、寺領、堂宇坊舎、太刀・鎧、など寄進した際に、三千仏名宝塔図も寄進されたと考えられている。
 本図は、三千仏名経の経文即ち仏名を書き連ねて、宝塔(十三重塔)・宝光(放射光)を形成する他に類例のない仏画である。
 現在、経年の使用により横折れが著しく、下軸の反りによる歪みが原因で本紙中央縦方向に大きく糊浮きが生じるなどの損傷が進んでいる。2ヵ年計画の修復は、本年度で完了する。


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