多聞天立像                     薬師如来坐像                   持国天立像像高

像高  144.0cm                   像高 78.0cm                    像高  152.0cm

 木造薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)
木造持国天立像(じこくてんりゅうぞう)、木造多聞天立像(たもんてんりゅうぞう)

 本像三体は、古くから塩飽水軍(しわくすいぐん)の拠点として繁栄してきた塩飽諸島の手島にある真言宗金輪寺(きんりんじ)の本尊、両脇侍である。作者を含め詳細は不明であるが、その像容から本尊の薬師如来坐像は平安時代末期(11世紀)、脇侍の持国天立像、多聞天立像はそれより少し遡る平安時代中期(10世紀)の作とみられている。いずれも当地での造立と考えられ、時代的な特色とともに地域性をよくあらわす、標準的な作行きの三体一具と評価されている。
 瀬戸内海の離島の寺に平安期、これだけの規模の仏像が残されている点は貴重であり、また当時の塩飽諸島の歴史を物語る資料としても重要である。
 しかしながら、三体ともその全体にわたって朽損だけでなく虫損も随所にあり、釘や鎹も露出し錆が進行している。また随所に割損による亡失が及んでおり、早急に修復が必要な状態にある。


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