本紙 195.0cm×185.5cm
麻布著色 伝帝釈天曼荼羅図(でんたいしゃくてんまんだらず)
本図は、韓国李朝の帝釈天曼荼羅で、中央の中尊が帝釈天と称していることから「伝」と付されている。中央の椅子に坐す帝釈天とその群像は、阿修羅の一群と戦うことを意味する図像である。同様の構図をもつものに名古屋市八事山興正寺「釈迦説法図」がある。画法を比較してみると極めて類似している。 図面構成は、帝釈天が須彌山に君臨し、三十三天を統率している様子を描いており、上部に飛雲を配し、帝釈天の周囲の天部像、下方の唐冠、唐衣の供養者、楽奏の女性群像も流麗な筆法で描かれている。 現状は、大きな折れ、亀裂、多くの欠損箇所もあるため、掛軸として掛けることもできない状態である。また、大正12年の修理銘があるが、不適切な後補を修理する必要がある。2ヵ年計画での修復は、本年度で完了する。