像高 162.1cm

 木造釈迦如来立像(しゃかにょらいりゅうぞう)

 北海道伊達市の善光寺(ぜんこうじ)は、天長3年(826)に比叡山の僧慈覚大師円仁による阿弥陀如来像の安置が開基といわれている。慶長18年(1613)に、松前藩主慶広により有珠に如来堂が再興され善光寺と称した。文化元年(1804)には、徳川家斉により、蝦夷三官寺のひとつとして指定された。
 釈迦如来立像は、京都嵯峨の清涼寺釈迦如来立像の伝模作で所謂「清涼寺式釈迦如来立像」である。桧材、寄木造、素地様漆塗仕上げで、江戸時代の後補とされる舟形挙身光背、六重蓮華座の上に立っている。
 この形態の木像は北海道では唯一ここでみられるもので、いわばその北限を示すものといえる。度重なる有珠山の噴火や経年劣化により、埃や矧ぎ目の緩みも多く、応急措置(接着やネジ釘、針金による留めなど)も見られる。2ヵ年計画での修復は、本年度で完了する。


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