「口伝伝授」                      「雨宝童子像」

     本紙 27.9cm×62.1cm              本紙 14.9cm×8.8cm

 木造大威徳明王像(だいいとくみょうおうぞう)(つけたり)
一夢信孝関係資料(いちむしんこうかんけいしりょう)41点

 京都市嵯峨の大覚寺(だいかくじ)は、平安初期に嵯峨天皇の離宮(嵯峨院)を、恒寂入道親王を開山として貞観18年(876)に開創された。弘法大師空海を宗祖と仰ぐ真言宗大覚寺派の大本山で、門跡寺院として多くの文化財を伝えている。本尊は、五大明王(不動明王、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王)としている。
 明王像の制作は平安時代であり、室町時代の文亀元年(1501)に修理が施された。その修理の際に、願主の真言僧一夢信孝によって大威徳明王像に納入されていた41点の資料群は、重要文化財指定時から像外に出されていたが、経年による汚れの付着、シミの他、虫損による欠失、装丁の破れなど損傷が進んでいる。
 室町時代における修理、補作の状況を具体的に知り得る貴重な資料である。


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