本紙 60.7cm×40.3cm

 絹本著色 星曼荼羅(ほしまんだら)

 星曼荼羅(北斗曼荼羅)は、除災や延命を祈願する密教の修法として、平安時代中期以降に行われるようになった「北斗法」の本尊として懸け用いられた。円形と方形の二種に大別されるが、真輪院の星曼荼羅は円形星曼荼羅の小品で、鎌倉時代初期の制作とされている。
 円相の中央に主尊釈迦金輪、二重圏に北斗七星(上方)と九曜星(下方)、三重圏に十二宮、四重圏に二十八宿を配する。画面上方は左半分が失われているものの、右側の金箔の点と朱線から北斗七星が表わされていたことが分かり、上方に北斗七星を表わすのは現存する平安・鎌倉時代の十数点の遺品では他に類例のない特徴である。
 現状は、本紙料絹、裏打紙の劣化による硬化により強い折れが多数あり、亀裂や料絹が剥落、欠失し、絵具も剥落している。修復は2ヵ年計画で本年度から開始する。


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