絹本著色 両界曼荼羅図(りょうかいまんだらず)
本図は、琵琶湖の東岸に所在する「湖東三山」のひとつ、天台宗の古刹、西明寺(さいみょうじ)に伝来する室町時代(15世紀)の両界曼荼羅図2幅。 金剛界は九会に区画して各会の諸尊を描く。胎蔵界は中台八葉院を中心に各院を描くが、諸尊の図像には「現図曼荼羅」と異なる特徴があり、台密系曼荼羅の貴重な作品と考えられる。 江戸時代の延宝7年(1679)から約330年間修理を受けておらず、横折れ、肌裏紙の浮き、画絹の欠失、絵具層の剥離等が進んでいる。平成23年度から26年度まで4ヵ年計画で、剥落止め、補絹、裏打替え等による保存修理を実施 。本年度は最終年度にあたる。