第8号像 像高37.7cm

 木造十二神将像(じゅうにしんしょうぞう)

 滋賀県愛知郡愛荘町の金剛輪寺(こんごうりんじ)は、天台湖東三山の一つで奈良時代に行基によって創建されたと伝えられる古刹である。中世の騒乱や元亀年間(1570〜1573)の織田信長による焼き討ちで多くが灰塵に帰したが、金剛輪寺には今なお多くの文化財が残されている。
 十二神将像は十二体が概ね完存し、小像ながら鎌倉時代の優れた造形を示す優品で、滋賀県には珍しい慶派の特徴を示し、当初の彩色がよく残っているなど注目される作例である。
 十二体ともに檜一木割矧造り彩色仕上げであるが、経年による埃を被り、矧ぎ目も緩んでいる。彩色部分にも下地の風化による剥離、剥落が見られる。後補の際の粗悪な木屎漆が見られ像容を損なっている。
 3ヵ年計画の修復事業は昨年から開始しており、本年度は2年目にあたる。


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