「鉄線花図」
大樹寺大方丈障壁画(だいじゅうじおおほうじょうしょうへきが)
大樹寺は、松平家・徳川家の菩提寺として文明7年(1475)松平親忠(家康より六世の祖)が創建した寺。大方丈障壁画は、安政2年(1855)の火災後に再建された大方丈と本堂に安政4年の夏から秋にかけて4カ月間で描かれたもの。筆者の冷泉(岡田)為恭(ためちか)(1823〜1864)は、京狩野派の絵師狩野永泰の子。 牡丹の間の牡丹図15面、鶴の間の鶴図3面等多くの本紙で絵具層の粉状化・剥離・剥落が進行している。また、昭和53年以降収蔵庫に納められているが、それ以前に発生したと思われる黴の付着跡や雨じみが多数見られ、鑑賞の妨げとなっている。 平成18年から第1次修復事業が6ヵ年実施され、障壁画49面及び附(つけたり)の一部の修復が完了。残る重要文化財「附84面」を第2次修復事業として、5ヵ年計画で実施しており本年度は3年目。