本紙 424.0p×386.0p

 絹本著色 浄土曼荼羅

  本図は、江戸時代初期の制作と思われる、作風および筆力に優れた浄土曼荼羅図の大作である。特別に織られた幅4mにもおよぶ広幅な料絹が用いられていることから、制作には特別の重要性があったことが窺われる。輪王寺に伝存する同様の広幅な料絹を用いて描かれた仏画と併せ、他に類例の少ない遺品として、絵画史上にも価値が高い。
 近年、全体が湿気により波打ち、絵の具の浮き、剥落が顕著に認められるようになった。また、肌裏からの浮きは表面に気泡となって現れ、本紙の欠損を招く恐れの強いヨレ、折れも多く見られ、至急の修復が必要な状態である。
 修復は、4カ年で行う予定で、本年度は3年目。

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