恵果阿闍梨          弘法大師
各本紙 102.3cm×55.7cm

 絹本著色 真言八祖像8幅

  真言八祖像は、鎌倉時代寛喜3年(1231)に俊賀法橋が仁和寺観音院本を手本として描いた京都神護寺本が古本として知られるが、善通寺本は、弘法大師が椅子に座すいわゆる真如親王様ではなく、床几に坐す形式で描かれた類例の稀な絵画である。
 制作年代は室町時代で、画絹は「足利絹」と呼ばれる粗絹であるが、裏彩色を効果的に行い、時代の特色を表している。各幅の裏面に天保5年(1834)の高祖大師(空海)一千年御遠忌のため、との修理銘が残る。
 各幅とも本紙折れ・破れ・欠失・汚れがみられ、絵具の剥落や表装の糊浮きも進行している。本年度は4ヵ年計画の 最終年度で、恵果阿闍梨像と弘法大師像の2幅を修復する。

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