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本紙 445.6cm×339.8cm |
絹本著色 不動明王像(ふどうみょうおうぞう) 1幅 |
大善寺は、寺記に従えば養老2年(718)に行基により開創され、聖武天皇より「鎮護国家大善寺」の勅額を賜り、朝廷の祈願所であったと伝えられる。 本画像は、縦445.6cm、横339.8cmの大幅の掛軸装である。表具の裏側に嘉元4年(1306)から延享2年(1745)まで5回の修理記録が残るが、現状は、当初の運筆、彩色、不動明王の相貌や持物などが明らかではない。現在では、文化4年(1807)に横田汝圭(じょけい)によって作成された当該画像の模本によって当初の状態を想定するしかないが、「不動十九相観」に基づく最古の作例として知られる青蓮院門跡「絹本著色不動明王二童子像」(国宝)と通ずる特徴が想定できる。 修復によって、当初の形状、彩色を復元できるならば、大善寺における国家儀礼としての仏教行事の在り方、東国または甲斐においての地方支配の在り方など、わが国の古代仏教文化の浸透にかかわる学術的な議論が進むことが期待される。本年度より5ヵ年計画で修復を図る。 |