中尊 像高 128.1cm 脇尊(左)3躯 像高 84.4~88.4cm 脇尊(右)3躯 像高 84.4~88.4cm
木造七仏薬師如来立像(しちぶつやくしにょらいりゅうぞう)
七仏薬師如来立像が祀られる赤沢薬師堂の所在する赤沢地区は、平安時代後期、12世紀後半に隆盛をみた比爪(現、岩手県紫波郡紫波町南日詰付近)の奥州藤原氏にかかわる「蓮華廃寺」の寺域内とみられ、本像は、奥州藤原氏関連の造像と推定される。 平安時代の中尊と脇尊6体の七仏がほぼ完存している例は全国的にも少なく貴重であり、像高約1.3mに及ぶ本像はその大きさのうえでも類例のない作例といえる。 カツラ材一木割矧ぎ造りの木彫仏であるが、現状は、全体にわたり、矧ぎ目が緩み間隙が生じ、虫蝕による損傷が散見される。また、表面彩色は矧ぎ目に沿い浮き上がりと剥落が認められる。2011年の東日本大震災の際には一部の像が転倒し細部が損傷し、永続的な保存措置を講じることが必要となっている。本年度から新たに3ヵ年計画で修復を図る。