「浮世絵」の修復
 

 ゴッホ美術館は、ゴッホの弟テオの子息が設立したファン・ゴッホ財団が所有するコレクションを永久寄託する形で1973年に設立された国営美術館である。ゴッホの油絵を中心にゴッホ書簡など多くの関連資料を所蔵している。
 助成対象は、ゴッホ兄弟が収集した日本の浮世絵約600点である。浮世絵は、19世紀後半の印象派の画家達に大きな影響を与えたが、特にゴッホに対して構図や色彩において大きなインスピレーションを与えたと云われており、浮世絵を模した作品も数点現存している。ゴッホの作品のみならず、往時のジャポニスムを理解するうえでも美術史上貴重な資料といえる。
 現状、経年劣化が進んでいるため、長期の保存に向けた修復が必要であり、自館の修復師により2年計画で修復が行なわれる予定である。

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