ペンシルベニア大学考古学人類学博物館(アメリカ)

「応永舞楽図巻」の修復

 1966年に設立されたサンフランシスコ・アジア美術館は、西洋ではアジア美術に特化した最大級の美術館のひとつである。18,000点以上の美術品を所蔵しており、その中でも日本美術品は、5,000点以上所蔵している。
 舞楽は、中国・朝鮮を起源とする、平安時代に成立した舞を伴う雅楽の一様式である。「応永舞楽図巻」は、舞楽を踊る11名の演舞者が描かれた巻物で、舞楽図巻として現存する最古の模本である。本巻末に山科教言(やましなのりとき。権中納言1328-1411)の応永15年(1408)11月8日付の奥書があり、同氏の日記「教言卿記」には、栂尾宮義仁親王から秘蔵の舞絵三巻を借受け、安倍季英に命じて模写させたことが記されている。
 全体に折れ、絵具の剥落、変色が認められており、早急な修復が必要である。京都の工房にて3年計画にて修復を行う予定である。

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