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「紺紙金銀字交書一切経」(中尊寺経)三巻の修復 |
ロチェスター大学に附属するロチェスター大学記念美術館は1913年に設立され、歴史的にも地理的にも幅広く12,000点以上の美術品を所蔵している。 助成対象は、紺紙に銀泥で界線を引き、金銀泥で一行ずつ交互に書写した紺紙金銀字交書一切経である。「十一面観自在菩薩経巻」(上・中・下の三巻)と題されており、各表紙には、金銀泥で宝相華唐草文の装飾文様が施され、見返しには、遠山や宝樹を背景に釈迦如来を中心に諸仏等が配されている。美術様式上、所謂「中尊寺経」に該当し、その製作年代は平安末期(12世紀)に遡りうる非常に貴重な作品である。 現状、長年にわたる展示により、表紙の基底部と銀泥部分の酸化による劣化が著しく進んでおり、早急な修復が必要な状態である。米国の日系工房にて3年計画で修復が行なわれる予定である。 |