アシュモレアン美術・考古学博物館(イギリス)所蔵
「着物染色用の型紙」の修復

 オックスフォード大学附属のアシュモレアン美術・考古学博物館は、1683年に開設された世界最初の大学博物館であり、分野を問わず幅広く美術品を所蔵している。
 修復助成対象は、19世紀の着物染色用の型紙の見本帳である。大部分が藍色の染色デザインであり、19世紀の日本の着物産業の状況とともに、日本の美意識がどのように欧州に広まったかを示す貴重なものである。
 現状、破れ、折り目、剥離、汚れが多く見られ、展示に耐えられない状況であり、同館内にて修復を行う予定である。修復完了後は、2023年度に計画している特別展において、歌川広重の作品等とともに本作品を展示し、日本美術における青の使い方とその欧州美術への影響に関する研究成果を報告する予定である。

©2022 The Sumitomo Foundation

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