イスラーム時代のフルブック都城址（タジキスタン）出土の壁画断片の保存修復


イスラーム時代のフルブック都城址（タジキスタン）出土の壁画断片の保存修復
タジキスタン国立古代博物館が所蔵するフルブック遺跡（同国南部）出土の壁画断片は、イスラーム時代初期11～12世紀の制作と推定されている。同種の壁画は、ウズベキスタンのサマルカンドから出土しているほかに類例がなく、当該時代の壁画の様相を知るうえで、大変貴重な資料である。しかしながら、壁画は断片化により図像の鑑賞が困難であり、また長い間土中にあったため非常に脆弱化している。2011年度に実施した彩色保護のための処置に引き続き、本年度は、表面のクリーニングや断片の接合などの処置を行う。