エジプト・ダハシュール北遺跡の新王国時代墳墓の保存・修復事業

  本事業の対象は、紀元前1250年頃に建設された石造の貴族墓である。この墳墓の特徴は、神殿を模した大規模な礼拝堂と、その後部に造られた小型のピラミッド、大規模な石室を備えた地下の埋葬室である。同様の形態を持つ墳墓は、当該遺跡では他に一例が認められるだけで、被葬者が高い地位にあったことを示している。従って本遺構の考古学的、建築史的な重要性は極めて大きいと言える。この遺構における修復作業は、地上に露呈する石灰岩製石材の風化を抑制することが中心となる。また、残存する遺構に対する若干の推定復原も計画している。

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