(像高200p)

木造十一面観音菩薩立像

 蓮華寺は慶雲4年(707)僧行基の開創と伝えられている。この十一面観音菩薩像は、作者および由来等は不明であるが、本体は桧材の一木造り、着衣や天衣の褶の彫り方が素朴で、肩の張り、体部に対して面部が大きいなど地方的で野趣が感じられる作品である。江戸時代末に漆箔を後補、また脚部に後補材を加えるなどかなり変化が加えられているが、本来の形態は平安時代後期の制作と考えられている。
 本像は蓮華寺本尊として本堂に納められ信仰を集めているが、永年の間に虫喰・腐蝕が進行し特に鬢頂部の朽損が著しく、光背・台座は江戸時代以降の後補が遊離して不安定になっている。後補の漆箔を取除き、朽損部の強化等の修復を行う。

Copyright (C) The Sumitomo Foundation. All Rights Reserved.

前ページに戻る