六祖慧能図 (各幅とも 縦136.5p 横58.5p)

紙本著色列祖(れっそ)

 本列祖図は、萬福寺の開山・隠元禅師(1592〜1673)に深く帰依した奥州二本松藩主・丹羽光重(1615〜1701)により、黄檗山開創の翌年、寛文
2年(1662)8月、狩野安信筆「十六羅漢図」16幅とともに寄進されたもの。計30幅からなり、幕府奥絵師狩野探幽(1602〜1674)とその養子益信(1625〜1694)、甥の常信(1636〜1713)の3名が光重の命で制作にあたっている。
 図は初祖・達磨から千巌元長まで、すべて半身像に描かれ、上に隠元の題が付く。幕府の庇護を受けた江戸狩野派が萬福寺開創にあたってこれに全面的に関与したことを示す具体例・基準作として極めて貴重である。
 現状は、本紙に糊浮き、横折れが多数あり、表装の糊浮きも著しく、展示等、取り扱い上非常に危険な状態である。すでに初祖・達磨より五祖・
弘忍までの5幅は、近年修復しているが、六祖・慧能以下25幅は放置されている。
 25幅を毎年各5幅ずつ5カ年計画で修復する。

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