(縦157.5p 横66.6p 厚1.6p)

黒漆(こくしつ)司馬温公(しばおんこう)家訓螺鈿掛板

 檀王法林寺を復興した袋中(たいちゅう)上人に、琉球の尚寧王(しょうねいおう)から贈られたものとして伝えられる掛板。黒漆塗地に螺鈿で、中国北宋の政治家であり歴史家である司馬温公(司馬光1018〜1086)の家訓の書を表装した掛軸を表している。同寺には、慶長16年(1611)の落款のある尚寧王筆「袋中上人像」一幅も伝わり、掛板はこれと同時に寄贈されたものと伝えられている。
 掛板はこの年までに琉球で制作された可能性が高く、琉球漆芸の数少ない基準作の一つとなり得るものである。
 現状では木胎の反りから生じる螺鈿や漆塗膜の剥離剥落が著しいので、これらを固定し、木地の亀裂に木屎を充填補強する。

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