(本紙 縦169.0p 横178.0p)

当麻曼荼羅 (たいままんだら)

 本図は、画面下方の九品来迎図に描かれる阿弥陀如来の様子が立像形式で描かれており、浄土宗西山派の開山証空上人が奈良県・当麻寺の当麻曼荼羅より転写した際の図様を祖本としていることがわかる。各尊像の的確な描写や、精緻に施された截金文様、色隈を伴う鮮やかな彩色などから、制作自体は鎌倉時代末まで遡るものとみられる。
 浄教寺は、文明4年(1472)の創建であるが、同町内にかつて隆盛を誇った真言宗最勝寺の什物を引き継いだとされることから、本図の伝来は、
創建に際して古本が本寺の所蔵になったものか、最勝寺に関係するものか、そのいずれかと推測されている。
 現状は彩色や金箔の剥落が進んで、画面各部に割れや一部脱落が認められるなど、緊急の修理を必要としている。

Copyright (C) The Sumitomo Foundation. All Rights Reserved.

前ページに戻る