(像高103.5cm)
木造地蔵菩薩立像
本像は、造像の経緯は不明ながら、南都の古寺新薬師寺に伝来したもので、平安時代中期(10世紀)に造立されたと考えられている。現在は足回りを中心に損傷が進行し、自立できない状態となっているが、量感のある体躯、切れ味のよい着衣のひだの彫法など、見るべきところの多い優れた彫刻作品で、この時期の南都の仏像を考究するに際して重要な位置を占める像と考えられる。
 奈良国立博物館に寄託されているが、これまで展示公開の機会が全くなく、一般観覧者にも、また研究者の間にも、その存在はほとんど知られていない。
修理により展示・研究の機会が増えると期待される。

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