波涛図 山水図
本紙 173.2cm×91.7cm 本紙 173.5cm×91.9cm

 紙本淡彩 波涛図(はとうず)及び紙本墨画 山水図(さんすいず)

  金剛寺は、仏国国師(高峰顕日 1241〜1316)を開山とする臨済宗天龍寺派の寺院である。江戸時代を代表する画家である円山応挙(1733〜1795)と所縁が深いことから「応挙寺」とも呼ばれている。

 本作は、天明8年(1788)応挙が56歳の時、生まれ故郷の亀岡の同寺のために描いた膨大な数の障壁画群である。天明年間(1781〜1788)は、応挙の画業中、大寺院の障壁画を精力的に描いていた時期にあたり、多くの優品が生まれているが、本作もまたその一つといえる。「波涛図」「山水図」「群仙図」の画題で構成され、現在は掛軸と屏風に改装されている。

 今回対象となるのは「波涛図」(28幅・2曲1双)と山水図(13幅)であるが、現在の表装へと変更された際の修理の不具合や、経年劣化による本紙の縦・横方向への折れの進行が激しい状況にある。9ヵ年計画で修復を行っており、本年度は2年目となる。


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