本紙 106.0cm×106.0cm

 本著色 草花図 (そうかず)

   智源寺は、寛永2年(1625)に宮津城主京極高広(1599〜1677)が生母の菩提を弔うために創建した曹洞宗の寺院である。現在の本堂は文化元年(1804)に再建された。

 本作は、その本堂室中の格天井20面に描かれた天井画である。落款により作者名が明らかで、円山派9名、四条派4名、岸派3名、土佐派2名、鶴澤派1名、原派1名の計20名が1人1面を担当したと知られる。19世紀前半に活躍した京都画壇各流派の宗家と門弟の作品が一堂に会したものとなっている。寺院の天井画という同一構想のもと、それぞれの画家が個性を生かして彩管を揮うことで、当時の京都の絵画の様々な表現を確認できるという点で非常に貴重な作例といえる。

 しかし、天井画であることから、常に空気に触れるとともに、重力の負荷を受けている。画面全体に損傷が進んでおり、一部の画面に裂けが生じて垂れ下がった状態を応急的に復旧する処置などもとられてきている。緊急に本格的な修理に着手することが必要と認められ、本年度より6ヵ年計画で修復を図る。


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