天井画 264.0cm×264.0cm
伊東祐青奉納墨書天井画(いとうすけはるほうのうぼくしょてんじょうが)
天正遣欧少年使節のリーダーとして有名な伊東マンショの父、伊東祐青が、本家・伊東義祐(よしすけ)の代官として法華嶽薬師寺薬師堂を改装したとき、祐青家の武運長久と子ども達の息災延命を祈願して奉納した天井板である。裏面の銘文により天正3年(1575)の年代を特定できる。 表面には雲龍図が描かれており、退色と剥落が進んでいるが、「昇龍・降龍」の図様を見て取ることができる。また、裏面に書かれた「虎千代麿(とらちよまろ)」が伊東マンショの幼名といわれている。伊東マンショに関する資料は国内に少なく、マンショの幼名を記す唯一の物証として貴重な資料である。 現在、表面に埃またはカビと思われる点状の汚れ、各所に漆箔の浮き上がりや材のやせによる亀裂が見られる状態にあり、展示ケース内で管理されているが、一刻も早い修理が望まれる。